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安くても地方のリゾートマンションを購入してはいけない理由(前編)

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地方のリゾートマンションかなり安価で売りに出されることがあります。
3LDKや4LDKの高層マンションが20万~50万円くらいで販売されているのもよく見かけます。
一見、めちゃくちゃお得に見えますよね、でも安易に購入してはいけないのです。

今回はこのような物件を購入してはいけない理由を説明します。

《前編》
1.価格が安い理由
2.維持するためにかかる費用とは
3.そもそも管理費や修繕積立金とは何なのか

《後編》
4.突発的に発生する費用の可能性
5.管理組合の運営状況と健全性
6.マンション購入後の呪縛

1.価格が安い理由

まずは価格面から考えていきましょう。
通常、3LDKなどのマンションは古い建物だとしても数百万円~数千万するのが一般的です。
地方の田舎とは言え、何故50万円という破格値で売られているのでしょうか。

真っ先に思い浮かぶのは事故物件ですよね、しかしこれらの物件のほとんどは事故物件ではなく普通の物件です。
事故物件の場合は告知義務と言って、売主が買主に事故物件であることを伝える必要があるためだいたい物件情報の備考欄などに「告知事項あり」とか「心理的瑕疵あり」などと記載されています。

では、安さの理由はなんでしょうか?
一番の理由は「戸建てではなくマンションだから」です。
戸建てもマンションも賃貸でなく購入してしまえば、それは「マイホーム」と呼べます。
しかし、戸建てとマンションでは様々な面でランニングコスト、いわゆる維持費の考え方が変わってきます。

戸建てでマイホームを持ったケースはシンプルでとてもわかりやすいです。
例えば、台風被害で屋根が傷んだら、当然ながら自分のお金で修理しなければなりません。
外壁も10年や20年すると塗装が剥がれてきたり、見た目にも性能的にも修繕が必要になってきます。
つまり、戸建てマイホームは購入して終わりではなく、修繕や経年劣化などに備えて自分でお金(修繕費)を貯めておく必要があります。

このあたりは想像しやすいので、戸建てマイホームを購入する人は想定していると思います。
では、マンションではどうでしょうか?

2.維持するためにかかる費用とは

マンションの維持費を考えるとき、大きく分けて2つの部分について想定する必要があります。
まずは、部屋の中の設備や内装などの修繕です。
例えば、給湯器や浴室だったりキッチン設備、リビングの壁紙などです。
これらが傷んだり故障した際は、もちろん自分のお金で修繕する必要があります。
(これは戸建てマイホームも同じですね)

大きく異なるのはマンションの共用部と呼ばれる部分で、マンションの住民全員が共通で使っている部分です。
例えば、屋上や外壁であったり、階段や廊下やエレベーターなどです。
もし、マンションのエレベーターが故障した場合、誰のお金で直すのでしょうか?
故障でなくともエレベーターは定期的なメンテナンスが必要ですが、そのメンテナンス費用は誰が負担するのでしょうか。

ここまで読んで勘のいい人ならわかったと思いますが、当然ながら「使う人全員で費用を負担する」しかありませんよね。

でも、マンションというのは千差万別で10戸程度の小規模なものもあれば、100戸を超える高層マンションもあります。
さらに、豪華なマンションだとフロントにコンシェルジュのような案内係が常駐しているケースもあれば、住人が利用できるプールやジャグジーなどが設置されているところもあります。

つまり、マンションの維持費と言っても、規模や設備や建物の大きさなどによってかかる費用が大きく変わってくるということです。
これが何を意味するかと言うと、豪華で規模が大きいマンションほど住民の負担が増えるということになります。

プール付きのマンションなんて素敵!と思うかもしれませんが、そのプールの維持費を払うのは結局マンションに住む住民(マンション所有者)という当然の理屈なのです。

3.そもそも管理費や修繕積立金とは何なのか

ここまでの説明で徐々にマンションの維持費について見えてきたと思います。
では、物件情報を見る際にどんな部分をチェックすべきなのでしょうか。
マンションの維持で避けて通れない「管理費」と「修繕積立金」について説明します。

マンションを購入するとほぼ間違いなく「管理組合」に所属させられます。
なぜなら、マンションを維持運営する上で、またマンションの資産価値を維持する上では必要な組合だからです。

例えば、マンションの外壁が台風の飛来物で破損したとします。
人によっては「この程度なら費用を出して直さなくても良いのでは?」と思う人もいれば「破損を放置するとひび割れなどがどんどん広がって被害が大きくなるのですぐ直すべき」と思う人がいるかもしれません。
では、誰の意見で修繕するかどうかを決めるのでしょうか?
先ほど説明したように修繕費は全員で出し合うので、当然全員の意見を出し合って方向性を決めなければなりません。

そうです、こういったマンションの維持運営には全員の意見が必要なので管理組合には全員所属が基本なのです。
管理組合を運営するには、会報の発行や議会の開催、その他様々な事務処理が必要になるため「管理費」をマンション所有者で負担することになります。

次に「修繕積立金」ですが、これは2章で説明したとおりです。
マンション共有部の修繕やメンテナンスには多額の費用がかかります。
戸建てのマイホームでは自分で貯蓄して突発的な修繕に備えるのと同じように、マンションの場合も突発的な修繕に備えて「全員で修繕費を貯蓄して準備」しなければなりません。

これがマンション所有者全員が毎月負担する「修繕積立金」です。

先ほども説明しましたが、毎月かかる「修繕積立金」の額はマンションの建物や設備によって大きく変わります。
小さいマンションなら月額数千円のところもあれば、規模の大きいマンションでは月額数万円の場合もあります。
また、規模が大きくても戸数が多ければみんなで割り勘なので、月額の修繕積立金を抑えることができます。

つまりマンションの豪華さや規模だけでなく、戸数というのも維持費に大きく関わってくることを知っておく必要があります。

そして後編へと続きます。

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