ファイナンシャル 不動産投資

安くても地方のリゾートマンションを購入してはいけない理由(後編)

地方のリゾートマンションかなり安価で売りに出されることがあります。
今回はこのような物件を購入してはいけない理由の後編です。

《前編》
1.価格が安い理由
2.維持するためにかかる費用とは
3.そもそも管理費や修繕積立金とは何なのか

《後編》
4.突発的に発生する費用の可能性
5.管理組合の運営状況と健全性
6.マンション購入後の呪縛

4.突発的に発生する費用の可能性

ここまで「管理費」と「修繕積立金」というランニングコストについて説明してきましたが、定期的にかかる費用に加えて突発的に費用が発生する場合があります。

適切に管理組合が運営されて、各戸から毎月徴収された「修繕積立金」がしっかり貯まっているマンションであれば良いのですが、中には修繕が多く発生したり徴収が適正に行われないなどの事情で財政面で苦しいマンションもあります。

このあたりは国の施策や政治に似ていますね。
国民から税金を徴収して、その税金で道路を直したり住民が快適に暮らせるように運営する感じですね。

財政難というのは、「収入」と「支出」のバランスが崩れたときに発生します。
マンション管理組合の場合は、支出は運営費を除くとほとんどの場合は建物の維持管理、修繕と言えます。
そして収入は「管理費」と「修繕積立金」です。

もし、建物の大規模修繕が必要になった際、これまで貯めてきた修繕積立金で払えない額の場合はどうなるでしょうか。
多くの場合はローンを組んで対応すると思いますが、支払いが困難な場合は住人(マンション所有者)に一時金の支払いを求められることがあります。

つまり、「これまでみんなで貯めてきた修繕積立金では足りないので、みんなで平等に追加でカンパしてね」という感じです。

カンパというと軽い感じがしますが、額は様々で高額な場合は100万円を超えることも考えられます。

突発的にそんな高額の請求をされても困りますよね。
しかし、マンションを所有する(=マンション管理組合に入る)というのはこういうリスクも含まれているのです。

5.管理組合の運営状況と健全性

さて、ここまでの説明で徐々にマンション特有の仕組みについて理解できてきたかと思いますが、マンションの善し悪しの基準とは何でしょうか。

マンションの購入を考えている人は、パンフレットなどから「立地や交通の便利さ」「築年数や建物構造」「外観や室内の間取り」「階数や眺望」「販売価格」あたりはチェックして善し悪しを判断すると思います。

もちろんそれらも大事ですが、マンションは「管理を買え」という言葉も有名です。

これまで説明してきたようにマンションは購入して終わりではありません。
所有している間、「管理費」と「修繕積立金」を毎月払い続ける義務があり、さらに管理組合に所属してマンション所有者の一人として運営に関わっていく必要があります。

つまり、国や県と同じで「所属する組織が健全かどうか」「財政面で余裕があるかどうか」という面はマンションごとに異なるということです。

一見、外観も綺麗で立地も良く、室内の状態や眺望も良いマンションでも、管理組合の運営がずさんで破綻状態という場合もありますし、逆に古くても管理組合がしっかりしていて財政面に余裕があるマンションもあります。

マンションを購入する際は、パンフレットに記載されている情報だけで判断するのではなく、管理組合の状況や財政面の状況を確認することはとても大切です。

6.マンション購入後の呪縛

前置きと説明が長くなりましたね。
ここでようやく、安価な地方のリゾートマンションの話に戻りましょう。

最初に説明しましたが、これらのマンションは20万~50万円程度で売られているものもあります。
ここまでの説明で理解できたと思いますが、購入価格は安価でも購入後にかかる費用が高額なのです。

まず、リゾートマンションの場合はプールがあったりバブル期に建築されて設備が豪華だったりします。
イコール維持管理費が高額になることを意味しています。

つまり、「管理費」や「修繕積立金」が月額数万円というケースも少なくないのです。
仮に月に3万円~5万円かかるとすると、年間で36万円~60万円かかることになります。

そしてここからがさらに重要なのですが、地方のリゾートマンションの場合、入居している住民が少なくスラム化している場合もあります。

マンションの場合、入居していない空室がある場合でも必ず所有者が存在します。
例えば、全100戸のマンションがあるとして、現在は50戸しか入居していない状態で50戸が空室だとします。
しかし、必ず所有者は100人います。(一人で複数戸所有している場合もあるので必ずしもイコールではありませんが)

ここで問題になるのが、「空室の所有者がきちんと管理費や修繕積立金を支払っているか」という点です。

一般的に考えてみて、マンションを購入して自分で済んでいる人はしっかり管理費や修繕積立金を払うと思います。
(自分が階段やエレベーターを快適に利用するため)

また、マンションを購入して他の人に貸し出して賃料を得ている人も同様にしっかり払っていると思います。
(定期的に賃料が収入として入ってくるので、その中から支払い可能なため)

では、マンションを購入したが自分で住むわけでもなく、他の人にも貸せていない所有者の場合、きちんと払っているでしょうか。
常識のある人であれば、マンションの資産価値を維持するためと考えて義務を果たしている人がほとんどです。

しかし、中には無駄な支出と考えて払わずに滞納する人もいるのです。
これが、管理費と修繕積立金の滞納です。

100戸あるうち、数名程度の滞納であれば財政面ではそこまで大きな問題にならないかもしれません。
ただ、滞納する戸数の割合が大きくなるにつれて、管理組合の運営は困難になっていきます。
財政難になると、そのしわ寄せはマンション内の他の住民に及びます。

というわけで、ようやく結論です。

・マンションを購入する際は管理組合が健全に運営されているかを確認する
・毎月支払う「管理費」「修繕積立金」の額をチェックする
・管理組合がその時点で貯めている「修繕積立金の合計額」をチェックし、戸数に見合った額がきちんと貯まっているかを確認する
・全戸数のうち、「管理費」「修繕積立金」を滞納している戸数をチェックする、と同時に管理組合で把握している全戸数分の滞納累積額がどのくらいか確認する
・全戸数のうち実際に入居している戸数がどのくらいかチェックする

これらをチェックした上で、
・管理組合が貯めている「管理費」「修繕積立金」の合計額が戸数の割に少ない場合は購入しない
・毎月の「管理費」「修繕積立金」が高額な場合はマンション価格が安価でも安易に購入しない。
・「管理費」「修繕積立金」を滞納している戸数や総額が大きい場合は管理組合がきちんと運営されていない可能性があるので購入しない
・全戸数のうち実際に入居している戸数が少ない場合は、今後の管理組合運営や財政面が困難になる可能性があるため要注意
(入居者が少ない場合、管理組合の仕事が頻繁に住民にまわってくる可能性が高くなります)

つまり、マンションは安価でも安易に購入してはいけないのです。

そして最後に恋の呪縛(Berryz工房)ならぬ、マンションの呪縛について説明します。
どんなマンションでも一度購入してしまうと、所有している限り「固定資産税」や「管理費」「修繕積立金」を払い続ける必要があります。
(そのマンションに住んでいなくても所有している限り支払う義務があります)

出費が続くなら誰かに売ればいいじゃん、と思うかもしれませんが、そんなマンションを購入してくれる人はなかなか見つかりません。
じゃあタダでもいいから誰か貰ってくれないかな・・・と思うかもしれませんが、そんなマンションはタダでも貰ってくれる人はなかなか見つかりません。

となるとどうでしょうか?ババ抜きのジョーカーに見えてきませんか?
誰かに押しつけたいけど、知識のある人は負債になることを知っているので貰ってくれない、そして捨てたり所有権を放棄することもできない
ただただ、「固定資産税」と「管理費」「修繕積立金」を支払い続けなければならない。

めっちゃ怖くないですか?これがマンションの呪縛です。
マンションを購入する際は必ず「次に誰かが欲しがる物件」を選ばなければなりません。

安いからと言って、誰も欲しがらない地方のマンションを購入してはいけないのです。
それはババ抜きのジョーカーなのです。
持ったら最後、誰にも渡すことができなくなり出費だけが永遠に続くリスクがあります。

マンションを購入するときは気をつけて慎重に選びましょう!

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