FIRE ライフスタイル

【読書レビュー 2025-002】幸せなFIRE(著者:ヒトデさん)を読んで

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多くの会社員が憧れるFIREですが、その先にあるものは・・・。
そして、仕事とFIREの関係を深掘りした異色の小説型FIRE本。
FIREを目指す人もFIREを達成した人にもとても参考になる書籍です。

1.どのような人にオススメできる本なのか

この本を読み終えてまず最初に感じたのは、めちゃくちゃ読みやすい本だな~、という感想でした。
表現や言葉のチョイスがとても良く、普段あまり読書をしない人にも大変オススメです。また、他のFIRE本と異なり、小説形式で展開していく点もとても読みやすいポイントです。

FIREに興味がある人ならかなり参考になる本だと思いますし、もしFIREを知らない人でも猫が好きな人なら楽しく読み進められる面白い内容です。

自分も読書が好きで結構FIRE本を読んできましたし、テクニカルな部分では概ねFIREの概要を知っていますが、物語の展開が気になって一気に読んでしまいました。

2.今の自分にはどう感じたか

最近のFIREムーブメントに対して、FIRE卒業とかFIREは飽きる等の否定的な意見もネット上では出てきています。
この本も他の読者のレビュー等を見ると、FIREに否定的な意見のような印象を受けたのでやや警戒しながら読んだのですが、結果的にFIREの良さを否定せずにもう一つの視点での価値観を提唱する内容でした。

自分はFIREして1年が経過しますが、この生活を2年、3年と重ねていったときに今と同じように毎日楽しくて幸せで明るい気持ちで生活できるのか、それとも何か不満や不足を感じ始めるのかまだわかりません。

ただ、筆者のヒトデさんが感じたように心境の変化があるのなら、先人の知恵としてとても参考になるのではないかと感じました。
自分も仕事環境や人間関係に嫌気が差してFIREを目指して頑張った時期があるので、FIREを目指す人の気持ちは良くわかります。

実際にFIREを実行するとなるとかなりリスクを取ることになるので、この本では「実はそんなにリスクを取らなくても楽になる方法もあるよ」というヒトデさんの優しさが書かれているとも感じました。

自分も本の内容には同意できますし、FIREを目指す人がなるべく苦しまないと良いな、と思います。
ただ、自分の経験上、一度本気でFIREを目指して行動を始めると、FIREを経験してみたい欲求は抑えきれないのではないかと思います。

自分としては、人は良くも悪くも経験から学ぶことが多いと思うので、多少の不安やリスクを承知でFIREを経験してみるのも良いと思います。
その結果、自分には合わなかったな、とか失敗だったなと思うことがあっても、やってみてないとわからないことなので、意味がある失敗だと思っています。

この本を読んで、FIREのリスクやそれ以外の選択肢を知って、その上でやってみたいと思うなら、他の書籍や情報でしっかりスキルを付けて挑戦してみるのもアリだと思います。

3.印象に残った部分

FIRE本をこのように小説形式で読みやすく構成するアイデアにはとても才能を感じました。
過去に読んだ本では「夢をかなえるゾウ(著者:水野敬也さん)」に近い印象を受けました。
読んでいて、主人公の言葉や行動にクスッとしたり、わかるわー、とか感じるからとても読みやすいんですよね。

もう一つ感心したのは、FIRE例として出てくるケースの描写がとてもしっかりしていることです。
FIREを実現する例はいろいろ出てくるのですが、自分は会社員をしながら不動産賃貸業でFIREをしたので、物件を探して現地調査をしたり管理会社や融資銀行との打ち合わせ等々とても現実に近い描写だなー、と思いました。
何より、不動産投資ではなくきちんと不動産賃貸業と説明しているところも驚きました。実際、不動産賃貸業は不労所得ではなく苦労所得と言われたりしますからね。

書籍として様々なFIRE例を紹介する上で、しっかり調査して書かれた本なんだな、と感心しましたね。

4.まとめ

最近のFIRE本では間違いなくオススメできる本だと思います。
まだそんなにFIREに興味がないライト層には気軽に読める内容ですし、本気でFIREを目指している層には新たな視点をもらえる内容だと感じました。

仕事の意味を考えさせられる点もなかなか深いです。

この本のタイトル通り「幸せなFIRE」とは自分のやりたい仕事をしながら経済的自立を実現するのがゴールですが、大きな課題は「自分の本当にやりたい仕事に就けるか」だと思います。

自分のやりたい仕事に就くために努力するかその難易度より副業や他の方法で経済的自立をする努力をした方が楽か、これはその人の置かれた環境や地域や性格・年齢などで変わってくると思います。

FIREは目的ではなく幸せになるための手段の一つなので、生き方や幸せについて考えている人にはヒントが貰えるような良書だと思いました。

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